妊娠中の健康を守るために、血糖値を定期的にチェックすることはとても大切です。
妊娠初期と中期には、血糖値の測定を行います。
この検査では、妊娠糖尿病の早期発見を目的としていますので、正確な結果を得るために、検査前後に気をつけるポイントがあります。
血糖値検査とは?
妊娠初期(母子手帳をもらった最初の健診時)と中期(24週頃)に、血糖値を測るための血液検査を行います。この検査は、特に空腹時でなくても受けることができますが、食事を摂った後では血糖値が一時的に上昇することがあります。当院では、100mg/dlを超える場合に、以下のに詳しい検査を追加します。
75g糖負荷試験(OGTT)について
血糖値が高いと判断された場合、**75g糖負荷試験(OGTT)**という検査を行います。これは、体がどのように糖を処理するかを調べる厳密な検査です。
OGTTの流れ:
- 検査前日の夜9時以降は、食べ物を控えます(絶食といいます)。
- 水や無糖のお茶は飲んでも構いませんが、その他の飲み物や食べ物は避ける必要があります。
- 翌朝9時に血液を採取して検査を開始します。
この検査は、食事の影響を避けるために前日9時からの絶食が必要です。絶食を守ることで、より正確な結果が得られます。
「空腹時採血」とは?
「空腹時採血」とは、一定の時間、食事を摂らない状態で行う血液検査のことです。食事をすると、体の中で食べ物が消化され、血糖値や中性脂肪が一時的に上昇します。このため、食事の影響を受けない状態で検査を行う必要があります。
どれくらい絶食するべき?
- 健康診断や血糖値の測定では、食後4〜5時間の絶食が一般的に推奨されます。
- しかし、糖尿病の診断や75g糖負荷試験では、10〜14時間の絶食が必要です。
例えば、朝9時に検査を受ける場合は、前日の夜9時以降、食事を摂らずに水や無糖のお茶だけで過ごすのが理想的です。
絶食の影響を受けやすい検査項目
食事を摂ると、血糖値だけでなく、以下の項目も一時的に変動します:
- 上昇する項目:血糖値、中性脂肪、インスリン
- 低下する項目:遊離脂肪酸(体脂肪から出る物質)
そのため、食事の影響を受けやすいこれらの値を正確に測るためには、事前の絶食が重要です。
最後に
妊娠中に行う血糖値の測定は、妊娠糖尿病のリスクを早期に見つけるために非常に重要です。検査の際は、事前にしっかりと絶食を守ることで、正確な結果を得ることができます。検査についてのご不明点やご質問がある場合は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。