質問

赤ちゃんの血液型はいつ頃検査できますか?

回答

赤ちゃんの血液型についての疑問をお持ちの方も多いかと思います。まず、ABO血液型について簡単に説明します。赤血球上にA抗原を持ち、血清中に抗Bを有するものをA型、赤血球上にB抗原を持ち、血清中に抗Aを有するものをB型、赤血球上にAおよびB抗原を持ち、血清中に抗体を欠くものをAB型、赤血球上にAおよびB抗原を持たず、血清中に抗Aおよび抗Bを有するものをO型と分類します。

このABO血液型を判定するには、赤血球上のAおよびB抗原の存在を確認するオモテ試験と、血清中の抗Aおよび抗Bの有無を確認するウラ試験を行い、双方の結果が一致して初めて確定されます。

新生児の赤血球膜上のA抗原およびB抗原の反応は、成人の約1/3程度で、2~4歳になると成人並みになるとされています。また、血清中の抗A抗体および抗B抗体は、生後3~6ヶ月から産生が始まり、1歳頃にはほぼ全ての子供に抗体が見られるようになります。しかし、新生児は通常、抗体が検出されず、母親由来の抗体が反応しているため、ウラ試験が正確に行えないのです。

実際に、1歳未満の乳幼児のABO血液型検査では、オモテ試験とウラ試験の一致率は約50%とされています。そのため、新生児や1歳未満の乳幼児におけるABO血液型の検査結果は、オモテ試験の結果のみが条件付きで報告されることが一般的です。

これらの理由から、信頼性の高い血液型判定は、生後1年以上経過してから、できれば4歳以上で行うことが推奨されます。

参考

日本臨床衛生検査技師会『輸血検査の実際 改訂第3版』

CRC よくある検査のご質問